早く大人になれ。そんなヨコシマで背徳的な気持ちを持ち始めたのはいつのことだったか、もう覚えていない。我の腰ほどにしかなかった背は、いつのまにか随分と大きくなってしまった。我の腕の中で縮こまっている背中を見ながら、うずうずと胸の奥のどうにもならないヨコシマが膨れ上がっているのを感じた。我の真似をしてまとめた髪の毛のせいで露になっているうなじが、ちらちらと目に入る。我はに聞こえないようそっと、もうそろそろいいかと喉の奥を鳴らした。 「ひゃっ…!?や、耀さん、な、なにを、」 「が悪いね」 「わ、私が何したって言うんですか!」 細い肩を掴み、露になったままのうなじに唇を添えると、面白いくらいに飛び跳ねる。いちいち初々しい反応に胸を疼かせながら、そのまま今度はちゅうと吸い上げると、熱っぽく声が震えた。長年一緒にいるのにそんな声は聞いたこともないもので、心臓を高鳴らせるには十分だった。束ねられた髪の毛に指を通し、逃げられないようにしっかりと掴むと、少しだけの肩が震えた。 「おめー、今度からその髪型禁止ある」 「え、…似合いませんでしたか?」 「むしろその逆ね。他の奴には見せちゃだめあるよ」 こんな可愛いの、他の奴らに見せるなんてもったいない。「それに」未だ向こう側に向いたままの体をぐるんとこちらへと強制的に向けさせ、その唇に自分のそれを合わせた。しばらく堪能するように触れ続け、片手で無防備な首筋をなぞると、くすぐったそうに体をよじる。胸板を叩かれたのを切欠に離れると、は息を切らし、そのまま俯いてしまった。けれど髪の毛の中から覗く赤い耳が隠し切れていない。その耳にかぷりと噛みつくとさらに甘く声をあげて肩を震わせるので、その反応が楽しくて離れる際にはぺろりと一舐めしてから、顔を上げた。 「そそられるある。こんなかっこうしてたら襲われるあるよ」 「……も、もう襲ってるじゃないです、かあ」 「ん、何のことあるか」 まだ襲ってねえあるよ、これからある。そのまま体を倒して、腕を床に縫い付けるとはわけもわからないという顔をして我を見上げる。「あああああの!わ、わわた、わたし!こ、ここんなのはずかしいです!」んなもん知らねえある。焦りながら暴れて離れようとするを見下ろし、少しだけ乱れた髪の束に口づけてやるとみるみるうちに大人しくなった。我の勝手でヨコシマな欲望だけれど、お前ももう年頃あるから叶えてもいい時期ね。嫌がったって、待てと諭されたって、何百年もの想いを止められるわけがない。無論止めるつもりもないが。さて、。女になるよろし。 むすんでほどいて
[2010/09/26] |