「泉ちゃんって本当に可愛いよね」
「は?」
「ぶっ!」


泉ちゃんは何馬鹿なこと言ってんだこいつ的な目でわたしを見るけれど、女顔の泉ちゃんにそんな目で見られたって何の効果もありません!(あ、いや別に顔が女っぽいから可愛いっていったわけじゃないけど!)


「だってメロンパンは女の子の大好物だよ。そりゃあ、男の子でも好きな人はいると思うけどー…メロンパンは女の子の人気者なんだし。そのメロンパンが似合う泉ちゃんは女の子みたいだなって!」
「ぶっ…くく」
「おい浜田、何時まで笑ってるんだよお前…」
「ご、ごめ、いずみ。女子版のお前浮かべちまってさあ」
「セーラー服とか似合いそうだよね!」
「ぶぶっ!ないす」
「わたし中学セーラーだったから、明日持ってくるよ、だから着」
「ねーよ!」


テメーも変な想像すんな、と泉ちゃんは浜田くんの頭をぶん殴る。えー似合いそうなのにな、着て見せてほしいよ。だって、本当に似合いそう。一度でいいから、そういうのって見てみたいんだよね。うーん、でも泉ちゃんは素直に着てくれそうにないな。後で浜田くんに相談して如何やって着せようかと企んでみようか。そう思ったら浜田くんと喋っていたはずの泉ちゃんの顔がギュウンとわたしの方へ向いて…え、なんか怒ってる?


、お前今なに考えた?」
「え、なにも(ばばばれた!?心読まれた!!)」
「嘘吐け、すっげー悪寒がしたんだよ!」
「そそそんなの泉ちゃんの気のせいだよ!」
「ほーお」
「ほら、泉ちゃん!そんな怖い顔しちゃあ折角可愛いのが台無しだよ」
「別にいーよ、可愛くなくて」


とりあえず、何考えていたか白状しろと泉ちゃんに言われるけど、言わない言わない!そんな怪しくて怖い顔した泉ちゃんにそんなこと言えるわけがないんだよ。泉ちゃんが怖いって浜田くんに目で助けを求めれば、浜田くんはにっこり笑って「が・ん・ば・れ」と口パクで…浜田くんって使えない人間だ!泉ちゃんはにぃっこりと笑って「言え」と一言。…可愛い顔が台無し。(いや笑顔は素敵ですけど)(バックにどす黒いオーラが見えるから、ときめきが恐怖に大変身)


「泉ちゃんの意地悪!ちょっと…泉ちゃんのセーラー服姿見て見たいなって思っただけなのに」
「…やっぱりか」
「ねーねー着てみたくない?セーラー服!泉ちゃんならきっと女の子に間違えられるよ」
「間違えられたくねーっての!」
「え、嫌なの?」
「嫌に決まってるだろ!」


そうか、泉ちゃん、どんなに女顔だって男の子だもんね。あーあ…セーラー服の泉ちゃんと、


「喫茶店とか映画とか…、行きたかったなぁ…」
「は?」
「水曜日はレディースデーだし、泉ちゃんで何処まで通用するか試したかったのに、」
「はぁあ!?」


う、泉ちゃんやっぱり怒ってる。わたしの発言に笑う浜田くん。「それいーじゃん!行ってやれよ泉ちゃん!」「浜田死ね」泉ちゃんの暴言に少し傷ついたような顔をして「〜泉ちゃんが苛めるよー」とわたしに泣きつく。そしてそんな浜田くんがウザイのか、泉ちゃんの睨みが増す。あ、いやこれはわたしのせいじゃないから、わたしのこと睨まないでください。うう、セーラー服は見れないわ泉ちゃんに睨まれるわ、今日はついてないのかなぁ。


「酷いよなあ、泉のやつ。折角がデートのお誘いしてるのにー」
「なっ、で、ででデートなんかじゃねーよ!」
「赤くなっちゃって泉ちゃん可愛い!」
も少しは否定しろ!」
「なんで?だって浜田くんが言ってること間違ってないよ?」
「…は?」
「わたし泉ちゃん好きだもん」


見る見るうちに真っ赤になる泉ちゃんを浜田くんが「ひゅー!」とからかうと、「うるせーあっち行ってろ」と手を振って追い払う。それからひとつ、咳払いをして。「…女装じゃなけりゃ、行ってやっても、いいぜ」歯切れが悪くて、泉ちゃんがまるで三橋くんみたいだ!(セーラー服は見れなかったけど)(こんな可愛い泉ちゃんが見れるなら今日はラッキーデー!)






RoyalCuteBoy!!


(じゃあ泉ちゃん。せめて男の子とも女の子ともつかない服装で来て!そしたら)(凝りねーよなお前も!)




[2008/04/18]