「隊長知ってますか?今日は現世ではバレンタインデーと言って、女性が男性にチョコレートというお菓子を差し上げる日なんですよ」 「…だから如何した」 「ですから、あたしから敬愛の意味を込めてチョコレートです!」 「」 「はい、なんでしょうか。隊長」 「如何して現世に此処暫く行ってないはずのお前が、現世の行事のチョコレートを用意出来るんだ・・・?」 「それはあたしがこの前副隊長と共に現世へ遊びに…あ」 「ほほぉ……こっちの書類整理を放っておいて現世へ遊びに…」 「…た、隊長…?」 「阿呆か!!今すぐ戻って仕事して来い!!!」 「怒りすぎはカルシウム不足ですよ、隊長!」 「誰のせいだ、誰の!!」 隣の
トラブルメーカー 「あ、隊長。あたしのチョコレート、ちゃんと食べてくださいね?」 そういって部屋を出て行ったを見、もう一度チョコレートを見た。それからリボンを解いて箱を開けると、恥ずかしい大きなハート型の茶色い物体が見える。はぁ、と呆れて溜息が出てしまう。だけど食べないのは勿体無いし、折角もらったのだからと思い、一口噛み砕くと甘い味が口の中に広がる。…俺は甘い物はどちらかというと苦手な方だ。それを判っていてこれを俺に渡したのだろうか?だとしたら嫌がらせと判断して後で書類を追加してやろうかと考えたその時、箱の中からひらひらと白い紙が落ちていく。床に届いたそのそれを拾い上げ見ると、嫌がらせではないことが判明した。ああ、アイツはああいう奴だから、嫌がらせとかそういう凝ったことは出来ないだろう。思わず口元が釣りあがる。そうして俺は、その紙とチョコレートを再び箱に終い机の端に置いて、続けて作業に没頭することにした。 『ハッピーバレンタイン!大好きです隊長♥』 「(恥ずかしい奴)」 [2007/02/13] |