「シロちゃんシロちゃん!」 「…、日番谷隊長だ」 「もう、そんな細かいこと気にしないの!それより誕生日おめでとう!!」 幼馴染のシロちゃんに朝一番に逢いに来て、抱き付いた。今日はシロちゃんの誕生日だ。だから一番に言いたくて朝起きて自分の隊にも寄らず速攻逢いに来たのだ。多分シロちゃんは忘れているだろうなぁ、とかなんとか思いつつワクワクしながら言ったのだが、当の本人は驚いた様子もなく抱き付いた私の腕を振り払おうとするのだ。む、珍しく自分の誕生日を覚えていたのか。 「むむむ、誕生日を祝ってあげた幼馴染にその扱いはなんですか、日番谷隊長?」 「何言ってんだ、誕生日は昨日だぞ」 はい? 「今日って12月20日だよね?」 「今日は12月21日だ」 「うそぉぉぉぉぉ!!!!?」 驚いて叫んだ私に反し冷静な顔でシロちゃんは「本当だ」と答える。私の馬鹿。大事な大事なシロちゃんの誕生日間違えるなんて、私はなんて馬鹿なんだろう。だって私は、シロちゃんの誕生日が師走で忙しいこの時期の一番の楽しみで、楽しみで楽しみで仕方がなかったのに。空回りしすぎて過ぎちゃうなんて、なんて大失態だ。これは現世で虚を全て倒せなかったことよりも酷い大失敗だ。ショックを受けて頭を抱える私に、シロちゃんはポンと頭に手を置いてくれた。私のほうが背が高いのによく届いたなぁなんて思いながらシロちゃんを見下ろすと、シロちゃんはぶっきらぼうにちょっと照れた感じで言ってくれる。 「落ち込むなって。」 「…もうちょっとまともな励ましはないの?在り来たりすぎ」 「そうかそうか。それじゃあお前今すぐ伊勢を呼ぶか?」 「ごめんなさい。嘘です。励ましてくれて有難うございます」 伊勢副隊長は厳しいので此処に呼ばれたら確実に連れて行かれる。「ほら、さん。さっさと仕事場に戻りますよ」とかなんとか言って。落ち込んでなんかいられない。それより早くプレゼントを渡さなければ。一日遅れだけれども。 「はい!誕生日プレゼント」 「あー…サンキュ」 「マフラーだよ。今年で何個目だっけ?」 「知るか。好い加減別のプレゼント考えろよ。」 そう文句を言いながらも毎回ちゃんと受け取ってくれて、しかもちゃんと保存してくれていることを私は知ってるよ。だってシロちゃんはなんだかんだですっごく優しいもん。何時もは冷静で私のことなんか酷く無碍に扱うけど優しい時もあるから私はシロちゃんが、 「だいすきっ!」 「抱き付くなっ!」 |