「って僕らのこと好き?」 「ふぇっ!?……え?ど、したの…行き成り」 「だってって何時も受身なんだもん」 「…うけみ…?」 「大体さーキス1つくらい僕らにしてくれてもいいんじゃない?」 「そうそう。あと、甘えて欲しいよね。『好き』とか言ってさ」 「キっ…!?好…っ!!?」 「「おぉ、上手い具合に言葉が繋がってる」」 僕らの突然の頼みごとには少々戸惑っているようだ。それもそうだろう。なんせ、甘えたりキスを自分からやってくるようなはじゃないからね。それでも、言ってほしいと思う時だってある。だっていっつも僕らばかりが抱き締めたりキスしたり愛を囁くばかりだもの、たまにはから言ってくれたっていいだろう?だけどやっぱりは恥ずかしさに耐え切れず、「無理…だよ」と呟いた。その反応はなんとなく判っていたので、僕らはそっとにバレないように合図をし、同時に悲しそうな顔を作った。 「そっか…は僕らのコト愛してくれてないんだね」 「僕らはこんなにのことが大好きなのに、」 「「僕らのコトは遊びだったんだね、酷いや」」 お互い抱き合って泣いたフリをする。するとは予想通り、驚いて固まっていた。この場にハルヒがいたらこれが演技だってすぐバレるだろうけど、今はいない。それだったら絶対にのことを騙せる自信はある。 「って実はドSなんだ。僕らのことを弄んで捨てて楽しむんだ」 「実は凄い女王様気質なんだね。大人しそうで可愛い顔してすっごく酷い女だったんだ。(あ、ちょっと褒めちゃった)」 「ち、ちが…っ!私二人のことす…」 「「す?」」 僕らがすかさず聞き返すと、はなんだか悔しそうな顔をする。僕らの意図が判ったようだ。だけどもう遅い。僕らはを逃がさないように腕を片方ずつ壁に着いてを閉じ込めた。逃がさないよ。 「す…何?」 「まだ続きがあるんでしょ?言ってよ」 「…す、……」 は相変わらず真っ赤な顔をしたまま、大きく深呼吸をし観念したように言った。 「好きだよっ」 なんてことだろう。僕らが言ってほしいって我侭を言って言わせたはずなのに、なんだか僕らが負けた気分だ。ちょっとヤケ気味だったけど、胸に響くその言葉は酷く僕らを緊張させる。顔に熱が溜まり、手には何時の間にか汗を握っていた。僕らはそんな顔をには見られたくなくて、の顔が見えないように抱き締めた。そしてなんでもない風に「「よく出来ました」」と笑ったように言った。 なんてことだろう。僕らはこんなにも余裕がない。それは恋しくて愛しいのせいだと僕らは責任を押し付けた。 アダムの
恋しごと 「「じゃあ次はキスだね♪」」 「ええっ!?」 [2006/12/10] |