(夏大会抽選会にて☆ミ)






「千代ちゃーん!!」
「あ、ちゃん!久しぶり!」
「卒業式以来だね!まさかこんなところで逢えるとは思わなかったぁ!」
ちゃんも野球部に入ったんだ!」
「うん!千代ちゃんもやっぱり入ったんだね。ソフトボール上手かったのにもったいないなぁ」
「それはちゃんもでしょ!」
「えへへ、そーでもないよ」
「私はてっきり、ちゃんはソフトボール続けるのかと思ってたよ」
「うーん、続けようと思ったんだけどさ。去年さっちゃんと試合見に行ったんだよね、武蔵野と春日部の」
「そうなの?私も見たかったなぁ」
「ごめん、なんか千代ちゃんその頃忙しそうだったから!それでその時の、榛名先輩!千代ちゃんも知ってるでしょ?武蔵野の原動力の人!!あの人の速球にヤラれちゃってさぁ!」
「それで武蔵野に入ったの?」
「うん。榛名先輩ってちょっと怖いけど優しいところもあるんだよ。それにいい人ばっかりだったし!千代ちゃんのところは?えーっと…石浦だっけ?確か阿部もそこだったよね」
「西浦だよ、にしうら。今年初出場なんだ!」
「……今なんて?」
「え、今年初出場?」
「その前!」
「……西浦?」






「………ええええええええええ!!!西浦!?西浦ってあの西浦!?マジでえええええ千代ちゃんそれ早く言ってよぉぉぉおぉぉお!!」






「え、は、…?」
「千代ちゃん西浦だったんだああ!!」
「あのー」
「うわあああ、これってもう運命じゃない?如何しよう本当に!!」
ちゃんってば!(ばこっ)」
「ぐはっ…この気絶するかしないかで相手を苦しめる微妙で絶妙な力加減…もしかしてさっちゃん直伝の突きじゃないッスか、しのーかさん…」
「だってちゃん、さっちゃんがいないと手に負えないんだもん…」
「でもお陰で落ち着いたよ。ちょっと興奮しゃってて、ごめんごめん」
「うん…それで如何したの?」
「…それがね、…」
「……うん」
「あ、阿部とかには言わないでね?あいつ絶対馬鹿にするから」
「言わない言わない!」
「……実は」
「……(ごくっ)」
「わたくし、西浦の人に先ほど一目惚れというものをしまして」
「………えー!誰っ!?」
「名前まではわかんないよお、なんせ一目惚れですから」
「え、じゃ、じゃあどんな人?」
「うーんとね、眼鏡かけてて」
「(眼鏡…花井くんかな?)」
「ちょっと渋くて」
「(阿部くん…はないか)」
「がっちりしている体でちょっと知的で」
「(知的、…西広くん?でもメガネしてないしがっちりは…)」
「ハァ…思い出しただけでうっとりしちゃう…!」




「おーい!篠岡ー!」




「あ、はーい!ごめん、ちゃん、先生に呼ばれたからまた今度話そう!メールするね!」
「……」
ちゃん?」
「あ、あああああああのひとぉぉお!!」










      ハ




      ス


     イ




     ト


    ス




    ラ


   ピ




   イ


  ー




  ク


 ド





(え、嘘…ちゃんの一目惚れの相手って…)(しがせんせえええ!?)


[2009/04/07]