「あああああ愛ラブ三橋くん…!」
、愛とラブは同じ意味だぞ」
「和さん、つっこむところが違います!」




こんにちは、桐青高校二年四組野球部マネージャーのです!ただいまファミレスで準太と和さんと共にお食事中で、携帯で好きな人の待ちうけを見てニヤけてました!この間、試合した西浦高校の一年生投手の三橋くんラブ!!結構可愛い容姿してるのにマウンドの上での真剣な表情に惚れまして、今じゃあ部活のない日は西浦へ行って三橋くんを眺めるのが日課ですよ!あの試合の後に利央がたじまくんとやらにメアドを聞き出したそうなのでその利央に無理言ってそのたじまくんとやらのメアドをゲットして、そのままメールで三橋くん情報をゲットしつつあります!初めて西浦へ行った日にはこっそり木陰から三橋くんを眺めていたのにたじまくんには見つかりまして、そのまま「初めましてー!これから情報をよろしくお願いします」と言ってきましたよ。いやいやたじまくんはいい人ですね、こんなこと引き受けてくれるなんて!ちょーっと下ネタのおいたが過ぎるけど!(「三橋んち、エロ本一冊もないんだぜ!」)(そうかそうか、三橋くんは純情なのね、かわいい)




「つーかそれ犯罪だぞ、ストーカー」
「ストーカーじゃないわ、愛故の行動よ!」




そーよ。私の愛はストーカーみたいな汚らしい変態軍団のようなものには足元にも及ばないんだから!ただ、三橋くんが誰かと付き合わないか心配だからこっそり学校サボって見に行ったり、それでもやっぱり監視できない日もあるものだからこっそり服に盗聴器つけたり(如何やって仕込んでいるかはひ・み・つ♥)(盗聴器からイヤホンで聞いてたら音楽聞いてるのと間違われて廊下に立たされたことがある!)、部活の後に家にたどり着くまでに誰かに攫われてないか心配でたまらないから帰り道はずーっと後ろからボディーガードしてたり(やっぱりたじまくんにはバレた)(「何してんのー?」「あのね、実はかくかくしかじかで…」「へええ!?すっげーな!そういうことなら俺も協力する!」「まじ!?じゃ、じゃあ私のこと校内とか帰り道とかで見かけても話しかけないで!出来れば見つかりたくないの!」「うし、わかった!」)するだけ!今では私の侵入捜査とたじまくんのお陰で三橋くんの部屋の物配置までミリ単位まで正確に言えます!それくらい、私は三橋くんラブ!大好き!愛してる!!!




「それを世はストーカーっつーんだよ」
「言わないよ!」
「言う」
「言わない!」
「お前らそのくらいにしとけって」




だって準太が悪いんでしょ!私の愛を疑うから。和さんは苦笑いして「両成敗だ」と頭を引き離す。「、好きなのはいいけどほどほどにな」和さんは笑って私の頭を撫でてくれる。ああ、和さんって大人だなぁ。愛を疑うわけでもなく否定するわけでもなくただ宥めてくれるなんて!かっこいいなあ、流石キャッチャー。(あ、もしや関係ない?)そんな和さんの横で準太は「和さん、あんまり甘いこと言ってるとこいつどんどんエスカレートしていきますよ」「まあ、その時はその時だ。ただ、野球部に迷惑をかけるようなことだけはするなよ、」はい、和さんがそういうなら!私、和さんになら何処までもついていきますよ、だって和さんだからね!(あれ、やっぱり関係ない?)




「あの、和さんの大人ぶりを見越してちょっと相談したいことがあるんですけど」
「おっ、珍しいな」
「…実は、私の三橋くんが最近悩んでるみたいで…」
「(こいつ今普通に所有物発言した!)」
「へぇ、どんな風に?」




そうなのだ、私が見る分じゃああの子は今悩んでる、断言出来るよ。三橋くんはいつも結構キョロキョロしてたりオドオドしてる仕草が多いのだけれど、最近やけにそれが多い気がするのよね。三橋くんのキョロキョロオドオド数は一日平均10回程度なのだけれど、最近は30回前後なのよね、異常な数字よ!これが一日だけならまだしも二日や三日も続いていれば何かに怯えてるとしかとれないわ!帰り道で行き成りバッと後ろ向いたり(吃驚したけど急いで隠れた)、やけに服を気にして何度もパンパンとはたいていたり、盗聴器から聞こえる会話で「三橋ー元気ねぇな、如何した?」とのたじまくんの声も聞こえたし、三橋くんは内気だから「な、なんでも、ない」と答えていたけど。(そういう謙虚なところも可愛いよね!)何かに悩んでる様子なのは確かなのよねえ。三橋くんの朝から晩までの行動を全部お見通しの私が言うんだから間違いない!




「和さん、如何したらいいと思いますか?」
「…」
「…」
「和さん?…準太まで黙っちゃって、何?やっぱりいい案は浮かばない?」
「……とりあえず、」
「愛故の行動も、ほどほどにな」








加害者
(和さん、俺今からこいつとは他人になります)(ああわかった、達者でな)(え、ちょっとひどくない!?)

教育委員会




[2008/02/29]